電波ビーチ

☆(ゝω・)v

消費したコンテンツ 3月2020

もう数日でいまの度し難い生活が終わり、またべつの絶望を育むまでの待機期間となる予定です(意味深)。労働は悪。労働は健康に悪い。サクラサク春と来世に期待。3月です。

ここ1.5ヶ月ほどはインターネットコンテンツの無料開放や無料配信が話題になりました。そのため常のような消費の仕方ではなく、振り返ると特殊な形になってたと思います。

映画

引きこもりを余儀なくされていたため配信のみ、数も5本と、ここ数年でかなり少ないほうだった

BLACKFOX

project-blackfox.jp

Netflixのリコメンドに流れてくるまで映画の存在すら知らなかったのがアンテナと意識の低さを露呈して悲しくなりつつ視聴。大味なハリウッドのヒーローアクションを下敷きにした演出の数々は「あーこれこれこういうの」みたいなド定番を撃ち抜いてくる爽快感がある。TRIGGERのバッキバキなカートゥーンぽさとはまた違ったテイストとガチガチの王道という、「オムライス屋に行ってオムライスを食べてきた」体験に近いと思ったのだが比喩が適切かどうかは分からん

ちなみに実写の製作も同時期に決定していたらしい。マジでアンテナ低いな自分

マリファナ青春旅行

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(ここからいつもの口上)kindleでセールだったので(口上おわり)

1980年代に学生時代を過ごした人とか、バブル期くらいに鳴らしていた音楽アーティストやコメディアンなんかはまず間違いなく確実になんらかの薬物・ガンジャをキメているので、いまさら隠してたりするのはダサいし卑怯ですよね。いい時代だったね?いまだと各国の物価もすげぇ高いし、アジアではやたらと厳しかったりして、もはやガンダーラ並に程遠いものになってしまったのだし。羨ましいね?

旅の目的や旅程なんぞは明確でなく、マリファナを軸に据えた若い頃の貧乏旅行を""回顧的に""述べた感じに思えたが、初版が97年らしいので当時ならまだ肌感覚に近かったのだろう。時折垣間見える政治や社会や文化的な見解が面白い。そういうときこそ筆が走るものだし説教的な訓戒が出ちゃうよね。あと挿絵が牧歌的

中東ではやはり酒よりハシシが文化的に密着しているのもあって手に入りやすいそうで、以前このブログでも書いた高野秀行の「イスラム飲酒紀行」と対比して面白い。時代背景としては15年くらいdiffがあるのだろうけど

消費したコンテンツ 11月2019 - 電波ビーチor3.hatenablog.com

ぜんぜんしらんかったのだが、昨今たまに検索に引っかかりがちな(なんでだろうね)「大麻堂」の運営者が著者だったってのをいまこの記事を書くためにググって初めて知った。お世話になります(なんでだろうね)

オービタル・クラウド

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kindleハヤカワ書房の電書フェアが4/16日までやっていて覗いたら過去にリアル本で読んだやつをみつけたよ。当時はまだエンジニアの経験なんて無かったが読み始めたら止まらない、プログラマにとってのセカイ系の相手はtechじゃないとね!な気持ちになる、血沸き肉踊り心逸る作品を数年ぶりに読み直した。登場人物がみな社会と未来への希望をエンジニアリングでなんとかする前向きな連中ばかりで嬉しくなっちゃう。みんなで世界をよくしていこうな

我もまたアルカディアにあり

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kindleでセール(ry。「おっバイクと女の子やんけ!」という脊髄反射で光の速さでジャケ買いしていた。特定ジャンル強い(むしろ自分が特定ジャンルに弱すぎる)

きたるべき終末に備え、望む人間を住まわせ、生きるのに必要なすべてを提供し、人生をその中で完結させるノアの方舟のようなマンション 、その名も「アルカディア」。群像劇かなと思ったらその出自にいわくのある主人公らの子孫の輪廻が絡まるディストピアだった。

アルカディアで人々は何をしているか。労働の必要のない閉じられた世界でなにを成しているかの生活面の描写が興味深い。それはそれとしてはやくベーシックインカムの導入をだな

引き際など考えなくていい。打ち込むだけ打ち込んで気が済んだら、他の事をやったっていい。働かないならそれはそれで、最低限度とはいえ国が生活だけは面倒を見てくれる。そのシステムが結果として国をよくしているのかどうかは知らない。俺が知っているのは、働かないからヒマで仕方のない連中が加わってデモ隊の規模が半世紀前より遙かに大きくなっているらしい、という事だけだった。創作活動でなくとも、とにかく自分のやりたい事に打ち込む奴が増えたという話は聞かない。 (Kindle Locations 1176-1180)

こういうことを書いてあるが、最初の章が「文筆・創作活動に必要のない身体機能を全て損切りして、思考を物語の創出に特化するように脳内に埋め込んだ生体チップが教育し」た結果、下半身以下は捨て、腕は単なるマニピュレータと変形させた人間が主人公になっているのは、うっかり「やっぱり娯楽は人間に残された最後の希望だよな!!」というミスリードを促しているのが面白い

とにかく何か仕事がしたい。働いてなければおかしくなってしまう。そういう人たちの受け皿として、この国の数少ない労働者階級は成立している。かつては下層や末端と呼ばれて使役されたような層が、今や、この国を維持するのに欠かせない要因となっているのだ。 (Kindle Locations 2240-2242)

で、最後はどうなるかというと、終末を呼び寄せ、"煉獄"を体現するという落とし所になるとはさすがに読めなかったよね。

東の果て、夜へ

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kindleでセール(ry。ちょうかっこよかったのでジャケ買い。麻薬斡旋所で見張り役をしていた黒人少年"イースト"を主人公に据えたロード・ノヴェル。寂れた州から州へ、東に向かい、コトを成し、離反し、 自分を見つめ直し、そして...というアウトラインで、寂寞たる荒野の上に全体的にうっすらとした絶望感が漂う淡々とした筆致に、読んでいるこちらの顔も線が多くなってくる。

現代が「DODGERS」なのだが邦題がいけすかないレベルでかっこいい。物語の起伏で、前半は夜、後半は昼の時間を匂わせる感じで、最後にまた夜の闇へと潜っていく流れになるのだが、そのときのイーストの決意のような趣も感じさせる響き。

言鯨【イサナ】16号

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kindleでセール(ry。砂の海つながりで「サイボーグクロちゃん」の"砂漠編"や「クジラの子らは砂上に歌う」、あと巨大な蟲が出てくるところは「ムジュラの仮面」のツインモルドや「ナウシカ」なんかを彷彿とさせるアドベンチャーファンタジー。砂の海には遺跡と高度古代文明と蟲と世界の秘密と荒くれ者お尋ね者美少女探求者がよく似合う(バーナム効果です)

前半ずっと旗魚をハタゴって読んでたのはここだけの話

ただいまっ!!

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[kindeの昭和漫画フェア]がやっていて、これが3/26までだったのだが、個人的に人生において最も印象深い漫画が対象であった。10年以上前に実家の物置で見かけて以来、オールタイム・ベストの漫画で、単行本はプレミア価格がついていた気がするがいましらべたらそんなに苦労せずに手に入るポジションらしい(HxHのG.I.みたいなもんで、「所詮金を積めば手に入る」みたいな印象)。少なくともブコフでは見かけたことはないがな

自分の生まれるより以前に連載・発刊されていたシロモノで、特に一話完結方式の後味の悪い(褒めてます)エピソードを詰め込んだ1~2巻は個人的なレジェンドであった。これが全巻あわせて数百円で変える時代なのだからジェフ・ベゾスに足を向けて寝られない。登場人物が固定化された以降はわりと哀愁に伴う感動モノにウェイトを転じた印象があるが、いやーそれもいいんですけどやはり初期の救われなさはもうね、ファーストコンタクトはそれこそ性癖を揺るがす事態だった。絶望と仲良くね

イベント

インプレス 一部書籍の全文公開

www.itmedia.co.jp

今月末までやってて、いくつか読んだ。ありがとうございます。ムック本というところがミソで、100pちょいなので気軽にパラパラっと読んでしまえ

book.impress.co.jp

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技術書展 応援祭

techbookfest.org

オフラインでの技術書展が中止になってしまったが、そんな流れをtechで解決するのがエンジニアたるもので、中止決定からわずかn日ほどでプラットフォームを整えてしまったのは脱帽アンド脱帽です。応援祭ってことで応援しました。とりとめもなく興味の赴くがままに。

techbookfest.org

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techbookfest.org

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配信

COVID-19の影響で時期的にいろいろ界隈が揺れて、デマによる紙類の枯渇だったり働き方改革の再考だったりイベントの興行費用問題だったり、各所カネの臭いが鼻につく話題が続いていたが、個人的には「不要不急の外出」へのカウンターとしての、さまざまなコンテンツの無料配信化が印象的だった。インターネット万歳。こうした陽の側面は積極的に盛り上げていきたいし、清く正しく美しく消費していきたい

ふらいんぐうぃっち

わりと良い効き方をする至高の作品で、スマートドラッグ程度にサクッと流してはいい気分になれるので、最近はBGVやPinPで常に流してる。アニメシリーズは日常系アニメの様式美となってしまった「ついアツいシーケンスやお涙頂戴ストーリを挿れてしまう」は極力抑えてあり、どこまでもフラットでのどごし爽やか。ややおっぱいがでかすぎるきらいがある

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キノの旅の止まる鳩、ゆるキャン△の典型フラクタルノイズ雲などと比肩するOP唐突シュールシーン。等速直線虹ペイント

NUMBER GIRL TOUR 2019-2020 『逆噴射バンド』

www.47news.jp

バズってた、ナンバガの無観客ライブ。もはや語る言葉はないからググってくれ


浮世に揺蕩う根無し草の身ゆえ、来月からのことは特段決まってない。なにもなければ、あるいは事態がここまで甚大でなければ適当に海外をふらつくことを夢想していたが、どうやら鎖国的引きこもりは(貯蓄的な意味で)最大難易度をもってして避けられないっぽい。ひと月ほどはおとなしく勉学に励みたいなぁ、ってセリフは年末からずっと言ってる気がする...

歯ぁ磨けよ!宿題やれよ!